ビジョンである社会貢献に向け、
現場主体で進めたプロジェクト。
――まずは、どのようにプロジェクトが始まったのか、きっかけからお伺いできますか。

GWPさんと初めてお会いしたのは、1つ前のオフィスのときでしたよね。複数のコンサルティング会社と話をする中で、他社は「いかにもコンサル」といった雰囲気だった中、GWPさんは非常に話しやすかったのが印象に残っています。ご相談の背景には、システム関連の業務属人化という課題がありました。当初は、システム刷新までは考えていなかったのですが、既存システムが当社にとってはオーバースペックであることは認識していました。法制度の改訂を機に、現在の規模感に合ったシステムへの移行が合理的ではないかと。とはいえ、どこから着手すべきか分からず、専門家のサポートが必要だと判断した際に、GWPさんを思い出しました。以前いただいた資料を見直したときに「ここならやってくれそうだ」と感じたのです。プロジェクトは、藤後を含む現場のメンバー8名が主体となって進め、私は定例報告で進捗を確認する立場でした。

私もプロジェクトマネージャーを務めましたが、GWPさんの支援のもと、現場メンバーが主体となり、スムーズにプロジェクトを進めることができました。

それは、キックオフの際に岡内さんが明確なビジョンを示してくださったからですね。さらに「会社として、これだけの投資をして行う重要なプロジェクトだ」という言葉が、メンバーの意識を高めるきっかけになったと感じています。トップからの明確なビジョンがあったからこそ、全員が同じ方向を向いて進めることができたのだと思います。

最初に、「水資源の有効活用のため、コンサルティングという立場ではなく、GWPさんとコラボレーションをして社会貢献を実現しよう」と伝えました。私たちにとって今回のプロジェクトは、単なるシステムの切り替えにとどまらず、選ばれたメンバーが自分たちで使うシステムを選ぶことで、トップダウン経営の文化を見直すきっかけにもしたかった。だからこそ、GWPさんには壁打ち役として関わっていただき、現場が自ら考えて進められるようサポートしてもらいました。

その結果、GWPさんには複数のベンダーを比較・選定するサポートをしていただき、現場のメンバーも多くの企業と直接対話を重ねました。このプロセスを通じて「自分たちで選んだ」という実感が芽生えたことは、大きな成果の一つだったと感じています。

「今を捨てて、これからに目を向けよう」
GWPが、目的に立ち返してくれた。

最初に現状分析を行い、課題を洗い出して可視化するところからスタートしました。その後、課題に対してどう解決するか、次はどんな仕組みが理想的かという「あるべき姿」を描きました。そして、その姿が実現できるシステムとして、5つの製品をピックアップし、各ベンダーと調整を行いました。ベンダーのデモには現場の皆さんもご参加いただき、評価していただくプロセスを経て、最終的に各社の取り組み姿勢や対応力も含めた総合評価をとりまとめし、決定に至りました。

当初は、標準的な1年半のスケジュールで想定していましたよね。

はい。しかし、年度の切り替えに合わせ、新システムをスタートするのがベストだと判断し、スケジュールを短縮しました。短期間での実現ができた理由は、カスタマイズを行わず、パッケージシステムの標準機能をそのまま活用する「Fit to Standard」の方針で進めたことが大きな要因です。業務の属人化という課題を踏まえ、業務を標準機能に合わせることで、業務の標準化と属人化解消を同時に進める狙いがありました。カスタマイズを加えて、従来の業務プロセスに近づけたくなってしまうものですが、最初に「今を捨ててください」「今のやり方にとらわれず、これから何をしたいか、どうしたいかだけを考えてください」とお伝えしました。

それでも、つい「今までのやり方が正しいのでは?」と、従来の方法に戻ろうとする場面もありましたね。そのたびに、スタート時に掲げた方針を示していただき、皆も立ち返ることができたと思います。

第三者の視点から「この方向に進むべきだ」「多少厳しい道のりでも、その先に目指しているビジョンがあるはずです」と提言していただけたのは、次世代を担う若手メンバーにとって良い刺激になったと感じています。さらに印象的だったのは、プロジェクトを通じて、現場のメンバーがとても楽しそうに取り組んでいたことです。今回、1年で業務システムを大きく変えたにもかかわらず、誰も過度な残業をすることなく、前向きに進めていたことも印象的でした。システム選定時には悩む場面もありましたが、導入が決まってからの課題整理はメンバーも楽しみながら進めており、「大変だ」という言葉はありませんでした。

皆さんすごいな、と思います。今回は並行稼働をほとんど行わず、思い切って一気に切り替えました。不安もあったと思いますが、いざ取り組むとなったら皆さんが一丸となって進める姿は素晴らしかったです。

メンバーからは「GWPの皆さんが導入するシステムを積極的に使い込み、わからない点を先回りして調べ、一緒になって勉強してくれていた」と聞きました。これはメンバーにとってはとても心強かったと思います。

確かに、GWPさんの姿は、私よりも頻繁に社内で見かけるほどでした。

ちょうど私も若手のメンバーも、自宅から会社へのアクセスが良かったこともあり、極力対面で打ち合わせを行うようにしていました。直接顔を合わせながら進めたことで、良い結果に繋がったと感じています。

出会って、刺激し合い、変化した
プロジェクトメンバーたち。
――短期間のプロジェクトの中で、密にコミュニケーションを取りながら、楽しく進められたことが伝わってきました。このプロジェクトを通じて、お互いに学び合われたのかなと思いますが、それぞれ変化について伺っても良いですか?

システム面でいえば「全体のプロセスが見えるので、関わりやすくなった」という、メンバーからの声を多く聞きます。

「システムの全体像が把握できない」という課題が解消されたのは大きな変化ですね。

メンバーの具体的な変化で言うと、現状の課題分析力が格段に上達したと感じています。おそらく、伝え方や資料の見せ方など、GWPさんを参考にしているのだと思います。分析から具体的な対応策を考える部分ではまだ課題が残りますが、皆さんとのプロジェクトを通じて文章をまとめる力や、積極的に考え、意見を出す姿勢が育まれ、チーム内でのコミュニケーションにも変化が見られました。

私たちにとっても、気づかされることの多いプロジェクトでした。先ほど話にでたメンバーの中には、もともとシステムに苦手意識があり、積極的に触ろうとするタイプではないメンバーもいました。それが今では、自分から調べ、研究し、積極的にかかわる姿勢に変わったのです。プロジェクトの初めに岡内社長が「出会って、刺激しあって、変化する」とバリューに絡めた言葉をかけてくださいましたが、その言葉が象徴するような変化がGWPのメンバーにも生まれたと感じています。

お互いに、いい化学反応が起きたのかもしれませんね。

今回のプロジェクトは、特に若手メンバーにとって大きな学びの機会になったと思います。課題の現状分析から運用までトータルに関わるプロジェクトに短期間で取り組む経験はなかなか得られません。また、お客様が主導で進めるために、コンサルタントとして導いていく「ファシリテート」の価値を強く実感できたのではと感じています。先ほど、藤後さんが「残業がなかった」とおっしゃいましたが、これは私たちが意識していた点の一つです。現場の皆さんには、週に一度のセッションでの意思決定に集中していただけるよう、我々の方で事前に材料を整理し、スムーズに進められるよう、準備を徹底しました。現在、他のプロジェクトに入っている若手メンバーも、このプロジェクトでの学びを実践に活かしており、良いサイクルが生まれていると感じています。

一つの法人、一個人として、
これからも真剣に向き合ってほしい。
――ありがとうございます。最後に、共立さんからGWPに対しての期待を、ぜひお伝えいただけますでしょうか。

GWPの皆さんには、今回のプロジェクトで見せていただいた、親しみやすい雰囲気と誠実に向き合う姿勢を今後も大切にしていただきたいですね。シンプルなようで、実はとても難しいことだと思います。従業員50名規模の我々のような会社に対し、ここまで真剣に向き合ってくれるコンサルティング会社は多くありません。しかし、GWPは「一つの法人」としての責任感を持ちつつ、プロジェクトメンバーとしては「一個人」として寄り添いながら関わってくれた。その結果、非常に良質な成果につながったのだと感じています。だからこそ、これからもどんな規模の企業に対しても、同じように真剣に向き合い、伴走してくださることを期待しています。

「これやりなさい」と指示を出すのではなく、同じ視点に立ち、一緒に進めようとしてくれたのが、とてもありがたかったですよね。

その点は私も強く感じました。先ほども言いましたが、今回のプロジェクトでは、メンバーに対して「コンサルティング」ではなく「コラボレーション」という言葉を、あえて使っていました。基幹業務システムの刷新は手段であり、目指しているのは「水資源を通じて、より良い社会をつくる」こと。そのために、GWPとは対等な立場でコラボレーションしましょうと伝えていました。実際には「コンサルティング」という枠を超え、コーチングやティーチングといった、幅広い専門性を組み合わせながら支援いただいたと感じています。

その実現には、共立の皆さんがプロジェクトの体制をしっかりと整え、主体的に進める意識を持って取り組まれたことが大きかったと思います。コミュニケーションもしっかり取れていたので、問題も発生せず、スムーズに進められました。私は基本的にコミュニケーションを重視し、率先して飲み会の企画をさせていただきました(笑)。

実は、そうしたオフのコミュニケーションがとても大切だったりしますよね。うちの社員は生真面目な性格な人が多いので、飲み会のようなリラックスした場だからこそ、本音が出ることがありました。お酒を飲むかどうかに関わらず、一仕事終えた後に「ちょっとご飯でもしましょうか」と自然に集まれる時間が、信頼関係の構築につながったと感じています。

導入後も、経理業務のアウトソーシングなど、さまざまな形で引き続きサポートに入っていただき、安心ですよね。

そうですね。GWPの皆さんがしっかり支えてくれるからこそ、私たちは安心して本来の業務に集中することができました。GWPさんがいるから安心して海外出張にも行けましたし、先週も中国での子会社立ち上げが実現できました。

そんなお言葉が聞けて良かったです。プロジェクトを振り返ると、本当に「一緒に作り上げた」という感覚が強く残っています。システム導入というと、どうしても「仕組みを変えること」が目的になりがちですが、今回は皆さんが「自分たちの未来をどうしたいか」を考え、そのために何が必要かを一緒に模索するプロセスになりました。その結果、単なる基幹システムの刷新にとどまらず、共立さんの組織全体に変化が生まれ、私たちもその変化を間近で感じることが出来ました。このようなプロジェクトに関われたことを誇りに思いますし、共立さんのさらなる成長の一助となれていれば幸いです。

私たちにとっても、気づかされることの多いプロジェクトでした。先ほど話にでたメンバーの中には、もともとシステムに苦手意識があり、積極的に触ろうとするタイプではないメンバーもいました。それが今では、自分から調べ、研究し、積極的にかかわる姿勢に変わったのです。プロジェクトの初めに岡内社長が「出会って、刺激しあって、変化する」とバリューに絡めた言葉をかけてくださいましたが、その言葉が象徴するような変化がGWPのメンバーにも生まれたと感じています。
