企業改革の根幹となる人事制度の再構築
東京ケータリング株式会社(従業員数:2,157名(うち社員数:424名、パートアルバイト1,733名)/2023年11月時点)は、1971年に国立大学の学生食堂の受託を開始してから現在まで、病院・小中学校・保育園等の食事の提供に加え、企業や大学の寮・保養所・セミナーハウス等の運営、デリバリーや一般飲食を含め、あらゆるシーンでの食事の提供や生活のサポートを展開している会社です。「愛ある食空間」と「感動ある憩いの空間」をテーマに五感に心地よい空間を演出し、お客様に心温まるサービスをお届けしています。
案件概要
課題
・属人的な管理による形骸化した人事制度の刷新
・従業員データの統合・整備や労務基盤の構築
実施サービス
・公平性と透明性の高い人事制度(等級・報酬・評価)の構築
・労働状況の把握、及び、人事労務関連法改正やコンプライアンスに即した労務管理基盤構築
効果
・飲食業界、中食業界で働く調理人材など定量的成果の把握が難しい職種に対する等級定義、評価基準、報酬定義の確立
・最新の労働環境や法令に即した就労管理体制と給与計算業務の効率化
お話を伺った方
・鈴木隆文 様
代表取締役社長
・嶋田陽 様
人事部・総務部 部長
ご担当者の声
依頼背景
会社全体の改革の根幹となった人事労務管理基盤の構築と人事制度の改革
2020年9月に代表取締役に就任し、会社の課題の洗い出しから取り組み始めました。その後、会社の方向性の明確化や中期経営計画・予算等の策定等の改革を進めると、『人』が中心のビジネスモデルの為、改革の中心が人事労務管理や等級・報酬・評価を軸とする人事制度の課題が多く、次のステップに進むためにも人事労務管理基盤の構築や人事制度の改革が喫緊の経営課題となりました。
また、代表取締役就任当初から「もともと人柄が良い従業員が揃っているので、その従業員たちが幸せに働ける会社にする」という最大のミッションを株主から求められており、私自身も『人』が主体となってサービスを提供していく会社として、人事制度や労務をより良いものを構築したいという思いを持っていたこともあり、今回コンサルタントに依頼することを決めました。
短期間で、目標とする人事制度改革を実現するという強い意志を感じた提案
私自身がアドバイザー業務に携わっていたこともあり、コンサルティング会社に依頼するうえで三つの条件を設けていました。一つ目は人事や労務の深い知識を持ち合わせていること、二つ目は理想像や概論ではなく、我々の会社の実態に合わせたサービスを提供してもらえること、三つ目は短期間で実現することでした。この三つの条件を提示して依頼をした際に、高いスキルと強いバイタリティーを持ったグローウィン・パートナーズ(以下GWP)が手を挙げてくれたことが始まりです。提案前に複数回打ち合わせを行い、弊社の課題等を丁寧にすり合わせ、我々への理解を深めようとしてくれたことは、我々の課題に対し、本気で取り組む意志を持っていると実感することができました。
支援結果
専門知識や経験に裏打ちされた実効性のある解決策
あるべき論や理想論を語り人事制度改革のセオリーで進むのではなく、経営戦略を見据えながらも、弊社の実態を鑑みて、目標となる人事制度の構築に向けた段階的なプランを策定して頂いたことはとても感謝しています。また、将来的に検討が必要となる運用面についても手厚いフォローを頂いたことは強く覚えています。例えば、新しい制度に即した人事システムのリプレイス検討時に留意が必要なポイントを想定して、機能やコストのみにフォーカスせず、旧システムとの補完性も検討してくれました。この点は、クライアントである弊社と同じ目線で考えてくれていると実感しました。この結果、問題なく新システムの導入が実現されましたが、アフターフォローの中で運用状況の確認をしていただき、安心感を持つことができました。
成果と成長がリンクする公平性と透明性の高い人事制度の構築
今回、人事制度を再構築するうえで、改めて会社が社員に対し求める役割や期待は何か、取り組み内容がどのように『成果・成長』に繋がり『報酬・評価』に連動するかを明確にすることが出来ました。
この取り組みの結果、パートを含む全従業員の情報について、網羅的な可視化と集約化をすることができ、今後の経営において必要な人事施策や取り組みに対しての道筋をつけることができたことはとても良かったと考えています。
データの可視化による社員の意識変革
サービス現場に対して、システムはもちろん、パソコンも導入していない状況の為、勤怠システムの導入時も拒否反応がありました。ただ、今後の経営方針を社員に打ち出す中で、システム導入を含むIT化により、働きやすい環境を創っていくという強いメッセージを真摯に定期的に伝え続けました。その結果、本気で改革に取り組んでいく姿勢を社員に感じてもらうことができ、一定期間を乗り越えると、働きやすさを実感してもらえました。現在は部長やマネージャーが、日々の勤怠状況をデータで確認し、残業時間等についても数値ベースで定量的に分析できる為、とても嬉しく感じています。現在進行中の給与明細の電子化において社員自らその効果をアピールしたり、人事労務の課題を会議で前向きに議論するようになり、社員の意識の変化を感じています。
今後の展望
今後は、社員ごとの目標設定を制度に盛り込み、社員自らが目標の達成度合いを把握できるような指標を作ることでモチベーションの向上につなげていきたいと考えています。また、最近はエンゲージメントという言葉を会議の議題に設定するようにしています。単純な福利厚生という従業員向けサービスではなく、会社として、持続的成長の実現と社員が弊社で働くことで得られる幸せが同じ方向に向かっていくために何ができるかという部分に軸を置いて長期的な視点で取り組んでいきたいと考えています。
経営者として現在の人事制度は五年が限界と考えています。五年という短い期間で社会や生活や人も急激に変化し続けていきます。激しい変化の中で、経営者はその変化に適応することが求められ、利益を出していかなければならない。その為、未来に起きる変化を予測して、企業に最適解を提案し続けてくれることをGWPに期待しています。また、会社として今後も成長に向けたM&Aを実施していく予定なので、PMIという面においてもご相談させていただければと思います。