海外を含む70社の連結決算体制の整備と経理基盤の強化

自然電力株式会社(以下自然電力)は「青い地球を未来につなぐ。」をパーパスに、持続可能で安全な地球の未来のために、エネルギーを軸とした様々な環境ビジネスを展開されています。

案件概要

課題
  • ・事業拡大に伴う経理組織体制の強化
  • ・単体決算の早期化に向けた業務運用体制構築
  • ・連結決算体制の構築、運用のためのシステム選定、業務構築
  • ・ステークホルダー向け対応
実施サービス
  • ・単体決算の早期化のための業務運用体制構築
  • ・海外含む連結70社の連結会計システムの要件定義、選定、導入および運用体制の構築
  • ・各種法令対応(電子帳簿保存法、インボイス)
  • ・ステークホルダー向けのプロポーザル資料の作成
効果
  • ・経営の意思決定に役立つ社内データの可視化
  • ・単体決算の早期化
  • ・連結決算システムの導入と運用体制の構築
  • ・ステークホルダーとの適切なコミュニケーション
自然電力株式会社
お話しを伺った方
自然電力株式会社 代表取締役
川戸 健司 様
会計税務部 部長
山岸 育哉 様
GWP
Accounting Tech 1部 部長
大沼 善次郎
ビジネスプラットフォーム 2部 マネージャー
濱松 雄太郎
肩書・経歴はインタビュー時のものです。(以下敬称略)

ご担当者の声

依頼背景
次なる企業の成長ステージに向けた社内基盤の強化
大沼

長期にわたるお付き合いの中で、様々なご支援をさせていただきました。特に大きなプロジェクトとして、単体決算と連結決算の体制構築を行いましたが、その背景や目的についてお聞かせください。

川戸

大きく分けて2つありますが、1つ目はビジネスの急速な拡大により、経理部門のリソースが大幅に不足していたことがあります。多くの案件を受注していましたが、事業の拡大スピードに社内の経理体制の整備が追いつかず、外部の支援が不可欠でした。

2つ目に、当時実施した資金調達に関係し、ステークホルダーに対して当社グループの経営状況を適切に説明する必要がありました。そのためにも従来は未実施だった連結決算の仕組みの構築と実施体制の整備が急務となっておりました。


(自然電力 川戸氏)

山岸

約2年前に私は自然電力に参画しましたが、当時の経理部は成長途中でリソースが不足しており、かつ会計基準、連結会計システム導入・運用のノウハウも不足していました。実務面では、GWPのBPOサービスを活用し、最終的な内製化を目指しながら、当初は多くの業務をGWPに任せていました。

正直なところ、業務の多くを外部に委託していたことには驚きましたが、GWPから得たナレッジを基に、自社で必要な変更を加えつつ、継続的に運用していく体制づくりをしなければと、よい刺激となったことを今でも覚えています。


(自然電力 山岸氏)

※GWPのBPOは、単に業務を請け負うだけでなく、最終的には内製化を目指し、業務を標準化・効率化し、再構築していく点が特徴です。

川戸

決算数値の報告に関しては、以前はシステムから出力した合計残高試算表をそのまま受け取り、取締役会で説明していたこともありました。もちろん、そうした体制にしていた責任はあったのですが、その数値を分析し、次にどのような手を打つべきかまで見据えられる体制にすべく、組織強化が必要だと考えていました。

支援結果
海外含む子会社70社の連結決算体制の構築
大沼

通常業務に加えて、新たな体制を構築するのは非常に困難な局面もあったかと思います。決算業務の構築やシステムの要件定義・選定から実務への落とし込みまで一緒に伴走させていただきましたが、当社のサービスはいかがでしたか。

川戸

当社は海外のプロジェクトも多く、海外事業を含む約70社の連結決算体制を整えるのは非常に大変でした。経理業務は毎年、法律に基づいて必ず行わなければなりません。また、当時は増資をした時期でもあったため、定期的な株主への報告義務もありました。通常のオペレーションを維持しつつ、連結管理体制の構築や改善を並行して進めるバランスが非常に難しかったと記憶しています。

山岸

連結会計システムの導入のほかにも、経理チームの実務力向上を両立させる必要もあったので、本当に大変でした。GWPは当社の経理組織に深く入り込み、東京と福岡にある2拠点を含めたチームの体制強化にも貢献してくださいました。
他にも、先んじた課題の取りまとめ、スケジュール管理など現場に必要な実務に役立つ支援を提供しつつ、決算体制構築に向けた連結会計システム導入・業務フローの構築・経理実務の教育までを総合的にサポートしていただきました。

濱松

実際に御社の一員のような気持ちで経理業務に取り組ませていただきました。繁忙期にはよく訪問させていただき、一緒に作業をした後、仕事の話を熱く語り合ったことが思い出されます。

山岸

本当に、我が事のように親身に対応していただいたと感じています。

また、決算体制の構築中には法制度が変わり電子帳簿保存法やインボイスについても柔軟に対応していただきました。

データ分析を行う高度な組織体制による確かな経営判断
濱松

体制構築後の運用状況はいかがですか。

川戸

決算プロセスの早期化の実現や報告資料の質が向上しました。社外からも数値や資料の品質が大きく改善されたという良い反応を多く耳にしています。特に、経営に必要な数値が迅速に確認できるようになったことで、意思決定がスムーズになり、経営にも大いに貢献しています。実績数値が正確になったこともあり、予実管理がしっかりできるようになった点も非常に大きいです。

10年程度かけてできた体制・仕組みを整えるまでには1~2年かかりましたが、GWPのサポートのおかげで無事に達成できたと思っています。過去の実績情報の集計が効率化され、それを分析する部門も整備され、経営の視点からも一貫した管理ができるようになっています。

山岸

おかげさまで、単体月次決算と四半期で連結決算を実施するようになって2年が経過しました。少人数でやってきましたが、チーム全員で力をつけ、連結決算の実務力も向上し、強い経理チームになってきております。
また、GWPのような外部のプロフェッショナルに第三者の視点で業務を見てもらうことで、内部で行っていた業務が適切で効率的なのか、過去からの業務の踏襲だけになっていないかなどの整理が進みました。

会計知識を活かしたステークホルダーとの協議資料作成支援
川戸

GWPにステークホルダーとの協議資料のドラフトや添付資料等も作成していただきました。ステークホルダーの視点を踏まえたときに「このように見方を変えていただけませんか?」とお伝えしたところ、迅速に対応してくださいました。会計処理の構築や経理の実務、システム導入など会計領域を幅広く対応していたからこその柔軟、かつ意図に沿った対応だったと思います。

大沼

企業の数値をどのように表現するのかといった経営の視点から、ステークホルダーへの資料作成含め、サポートさせていただきましたが、当社の魅力の一つでもある柔軟な対応にご満足いただけてうれしく思います。

今後の展望
山岸

連結決算については、GWPにアドバイスを頂きながらも自社で実施できるようになりました。今後対応すべき課題として四半期での連結決算早期化を進めていきます。引き続きよいチーム体制も維持していきたいです。

川戸

今後は、発電所の建設自体は変わらないものの、ビジネスモデルが時代のニーズに合わせて変化していくことが予想されます。ビジネスモデルに変化がおこれば、キャッシュポイントや期待値も変わるため、迅速な財務会計の対応が求められます。売上の構成比率やカウント方法、表現方法も柔軟に対応していく必要があります。

そういったところも見据え、ビジネスモデルに変化があっても、柔軟かつ連続性のある分析ができるように変革を進めています。今回構築したシステムや業務といったコアな部分が出来上がったからこそ、この変革が軌道に乗れば、ビジネス全体の成長や柔軟性が高まり、財務会計のスピードアップにもつながると期待しています。

その他の事例

  • 株式会社共立理化学研究所

    DX推進・ERP導入